2 平成26年度
2.30 2014.8.20 9:10~16:30「平成26年度理科教育研究発表会(教員の部)」

講座「平成26年度理科教育研究発表会(教員の部)」実施報告

日時:平成26820日(火)9:1016:30

場所:公益財団法人 本庄早稲田国際リサーチパーク

講師:清水 誠(埼玉大学教育学部教授)

受講者:6名(教員5名,大学院生1名)

領域:Ⅳ CST才能育成・科学研究指導法

概要:埼玉県内の小中の教員による日頃実践してきた理科教育に関する研究発表を聴き、発表後の参加者による議論や指導者の講評をもとに、今後の指導にどのように生かしていきたいかレポートにまとめる。

内容:さいたま県内の小・中学校の教員により8件の発表がなされた。以下が発表者と発表題目である。

1.武藤 知啓(本庄市立藤田小学校):「小山川・元小山川河川調査体験を通して」

2.萩尾 卓之(熊谷市立籠原小学校):「科学的思考力を育む指導法の研究」

3.柿沼 宏充(羽生市立須影小学校):「不十分な科学概念の再構成を促す教授学習モデルの適用」4.岩崎 勇二郎(さいたま市立大谷口小学校):「問題意識を高める導入の工夫」

5.田村 圭史(加須市立豊野小学校):

「実感を伴った理解を図るための授業づくりの工夫-目的意識・相手意識をもった問題解決学習」

6.野本 大介(春日部市立武里南小学校):「予習学習を取り入れた指導法の研究」

7.佐藤 真太郎(ふじみ野市立鶴ヶ丘小学校):「災害時の状況をイメージする力の育成」

8.中島幸男・栗原匠(所沢市立北野中学校、狭山市立柏原中学校):

 「基礎・基本の定着を支援する発展的な生徒実験の展開-浮力の学習を通して-」

受講者から寄せられた意見をいくつか紹介すると次のようである。

1.柿沼教諭の発表に対して;1時間という短い時間の中では一見科学概念が定着したように感じてしまう。しかし、単元学習後に本モデルを適用することで強固に存在する先行概念と授業で構築した概念が自身の中に存在することに気づくことができ、生じた認知的葛藤から「はっきり解決したい」という気持ちを持って主体的に概念の再構成を行えると感じた。中学校の実施例としては、水溶液の電気伝導性とイオンとの関係が曖昧である生徒が多いため、単元終了後にモデルを適用させたい。また、サポート事象の提示前に、どのようにすれば確かめられるかを生徒達で考える時間を設けてみたい。

2.萩尾教諭の発表に対して;全学年を通して系統性を意識した指導が重要であると考える。研究資料の中には「籠原小理科ノートの書き方」を3年生以上の児童全員に配付してノートづくりを行っている様子も述べられていた。これを活用して,授業の流れもベースとなるものができれば学校としての理科の学習スタイルが提案できるのではないかと考える。また,児童の記述したノートが例示されていたが,このような具体例を児童にも示すことで,児童の表現力の向上につながると考える。

3.田村教諭の発表に対して;「ものづくり」「他学年との関連」というとても効果的な方法をつかって実感を伴った理解へと迫っていたと感じる。特に魅力的な教材を提示することによって子どもの興味・関心を高めるのに意味があったと感じる。教材の工夫は多くの実践があるが,本実践は下学年にとっても課題意識が生まれやすい教材の開発であり自己の今後の指導に生かしていきたいと感じた。

                                     (文責:清水 誠)

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