3 平成25年度
3.86 2013.5.8 14:40~16:30Saitama 「CST開講式開催のご報告」

Saitama CST開講式開催のご報告

平成25年5月8日(水)午後に,Saitama CST事業の開講式を挙行しました。「Saitama CST事業」は,「さいたま市教育委員会,埼玉県教育委員会,埼玉大学中核的理科教員(コア・サイエンス・ティーチャー)養成拠点構築事業」の略称です。文字通り,さいたま市教育委員会,埼玉県教育委員会,埼玉大学が共同で実施する教育事業で,独立行政法人科学技術振興機構(JST)の競争的資金を受託し,平成24年度から準備を進め,この度,関係者と受講生が一同に会して,埼玉大学にて開講式を開催するに至りました。開講式では,桐淵博さいたま市教育長,濱本一埼玉県教育局市町村支援部副部長,上井喜彦学長が主催者としてこの事業への期待や思いを含めて挨拶し,続いて支援機関であるJSTを代表して,大瀬勝寿調査役が挨拶されました。

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本事業は,地域の小中学校理科教育を牽引する中核的理科教員を養成するための本学学生と埼玉県内の現職教員向けの教育プログラムと,実際に養成されたCSTが他の理科を教える小中学校教員のために研修会の講師などとして活躍するための研修会プログラムで構成されます。1~2年間をかけて,以下図の5領域,計120時間以上の講座を埼玉大学と連携機関(さいたま市立教育研究所,さいたま市青少年宇宙科学館,埼玉県立総合教育センター)等で受講し,その実績を認定委員会で審査しCST(コア・サイエンス・ティーチャー)として認定します。埼玉大学では,教育学部・同附属小中学校,理学部,理工学研究科において,科学に強いCST教員を育成する様々な講座を実施します。さいたま市教委と埼玉県教委では,今後,CST講座で習得される高い水準の資質・能力を有する理科教員を増やし,県内各地にCST活動の拠点校を設けて研修会活動を活発化する予定です。

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開講式には,CSTの運営や講座の講師に当たる各機関の関係者32名とともに,CST候補者として教育プログラムを受講する埼玉大学生(学部・大学院生)と,埼玉県内の現職教員が27名出席しました。

JSTの支援を受けて,埼玉大学以外にも15大学がこれまでCST事業を実施しています。Saitama CSTの特徴の一つは,県内の理科教育ですでに中核的役割を果たしてきた理科教員にも一部の講座を受講してもらった上でCSTマスターに認定し,その後CST養成の指導者として活躍していただくことです。開講式には,CSTマスター候補者として,埼玉県内の理科教員11名も出席しました。

関係者紹介の後,開講式は,「これからの理科教育~横浜国立大学CST事業を実施して」と題して,横浜国立大学教育人間科学部の森本信也教授に記念講演をしていただきました。森本教授は,日本理科教育学会会長を務めておられるなど,理科教育では大変著名な方でありますが,CST事業に関しては,すでに平成21年度から4年間,横浜国立大学CST養成プログラム実施委員会委員長として,「神奈川CSTプラン」を実行してこられました。その豊富な経験を元に,Saitama CST事業の関係者と受講生に助言と示唆,今後の展望などをお話しいただきました。CST養成プログラムの標準(スタンダード)化に取り組まれ,作成された暫定版の概要についてもご説明いただきました。なお,神奈川では,CSTとして認定された教員が,様々な研修会の講師等で活躍されているとのことです。講演後,本事業の代表を務める齊藤享治教育学部長から講演への謝辞と閉会の辞を述べ,開講式は無事終了いたしました。

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Saitama CST事業を遂行するに当たり,諸々の事務を行うCST事務局(Tel: (048)714-2050,メール:cst@gr.saitama-u.ac.jp)を教育学部内に設置しています。また,ホームページ(http://cst.saitama-u.ac.jp)を開設し,受講生による受講登録,課題の提出や講師による評価,事務局との連絡に活用するとともに,講座内容や活動の一般への周知も今後充実させる予定です。新規の受講生も随時募集しています。対象者は,小・中学校の理科教員を目指す埼玉大学の学部生と大学院生(教育系・理工系は問わない),及び埼玉県下の現職教員(この場合,所属長・教育委員会の承諾が必要)です。関心の方はお気軽にCST事務局にお問い合わせください。身近に可能性のある学生や現職教員がおられれば,ぜひご紹介いただくようお願いします。特に,理工系の学部・大学院生の参加をお待ちしています。なお,大学外で行われる講座への参加に際しては,必要な旅費は事業費から支給されます。

Saitama CST事業は,始まったばかりの取り組みですが,埼玉大学が教育委員会と連携して,学校教員のリカレント教育を充実させることは,社会に開かれた高等教育機関としての大学の機能の発展につながるものと言えます。今後,関係各位のご協力,ご指導を賜れますよう,よろしくお願いいたします。

(文責:教育学部准教授 小倉 康)

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