1 平成27年度
1.42 2015.8.25 9:40~16:00「東京ガス根岸LNG基地,J-Power横浜磯子火力発電所 (最先端科学技術施設)訪問」

実地研修「東京ガス根岸LNG基地,J-Power横浜磯子火力発電所

(最先端科学技術施設)訪問」実施報告

 

日時:平成27年8月25日(火)9:40~16:00

場所:東京ガス(株)根岸LNG基地,J-Power横浜磯子火力発電所(ともに横浜市)

受講者:16名(教員11名,学生3名)他引率2名

領域:Ⅰ 最先端の自然科学

日程:午前10~12時 東京ガス根岸LNG基地訪問研修

午後2~4時 J-Power(電源開発株式会社)磯子火力発電所訪問研修

概要:研修生の報告より

(1)東京ガス根岸LNG基地

・冷熱発電設備を設置し,-162℃という,LNGの低温を利用してメタン・エタン等の流体を冷却,海水で気化を繰り返し,タービンを回して発電を行っていること。その電力で基地内の約3割をまかなっている。冷熱を利用し,液体酸素や液体窒素,超低温倉庫,ドライアイス製造など様々な事業を行っている。

・天然ガスは燃焼時に二酸化炭素や窒素酸化物の排出が少ない。世界における埋蔵量が豊富な資源である。

・石油と異なり,世界各地に豊富に埋蔵されており,リスクを分散しやすい。

・タンカーで海外から運ばれたLNGは液体のまま,タンクに貯蔵され,ガスとして使用する際は,海水で温めて気化し,LPGと混合することで熱量を45MJに調整して,付臭し,各家庭に送っている。

・タンク内部表面のステンレスには凹凸があり,冷えて縮んだ場合にひびが入らないよう工夫されている。

(2)J-Power磯子火力発電所

・大都市部に位置する発電所として公害防止協定を横浜市と結び,排煙脱硫装置を取り付けるなど環境対策に力を入れてきた。世界でもトップレベルのクリーンな石炭火力発電所となった。

・輸入された石炭は,発電所とは別の場所で保管され,小型の石炭船で発電所に運ばれてくる。その後,密閉パイプ内を空気で浮上するベルトコンベヤによって高速運搬され,石炭サイロ,石炭バンカー,給炭機へと運ばれ最後に微粉炭機で粉末状にされボイラーで燃やされる。石炭の輸送過程を密閉した空間で行うことで粉じん対策を行っている。

・ボイラーは上からつり下げられている。燃焼の際の熱によって上下に移動することを考えて設計されている。

・ボイラー内には数千の細いパイプがある。その中を通る水を加熱して高温・高圧の蒸気をつくり,タービンを回して発電している。蒸気条件はUSCを採用し,世界最高レベルの発電効率を実現している。

・環境への配慮を最大限行っており,乾式排煙脱硝装置,乾式排煙脱硫装置,電気式集塵装置を設置している。脱硫装置から回収した硫黄酸化物を利用し,濃硫酸を作製している。

・石炭の副産物である石炭灰も,セメントの材料として全量有効利用している。

                                                                                                                              (文責:小倉 康)

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