1 平成27年度
1.47 2015.10.29 13:20~16:30「CST実践力向上研修会(授業研究会)」

座「CST実践力向上研修会(授業研究会)」実施報告

 

日時:平成27年10月29日(木)13:20~16:30

場所:坂戸市立桜中学校

講師:坂戸市教育委員会 副課長兼指導主事 奥隅 一之

受講者:1名(教員1名、学生0名)

領域:Ⅲ 小中学校実践理科指導法・マネジメント

概要:公開授業 単元名「電気の世界」 中学校第2学年1組

     CST候補者を授業者にして、公開授業を行う。本授業研究会は、磁石の周りには、磁力の働く空間があることについて興味・関心をもって追究する活動を通して、磁界には向きがあり、その磁界の向きを表現するものとして磁力線があることを見いだし、可視化することで磁界を理解することをねらいとしている。また、ジグソー法による討議活動を行う事で、実験結果を整理して課題を解決する能力を身につけさせる学習でもある。

(2) 研究協議 参加者 小・中学校教員38名

内容:(1) 公開授業

    ・小学校での既習事項を復習し、磁石の周りには、磁力の働く空間があることについて理解した。その後、磁石につくモールの様子、磁石を近づけた方位磁針の向き、棒磁石のまわりに撒いた鉄粉の模様を調べる実験を行った。

    ・実験結果から、磁界には向きがあり、その磁界の向きを表現するものとして磁力線があることを見いだした。また、ジグソー法による討議活動を行った。

(2) 研究協議

    <視点1> 実験を充実させる場面(説明、活動、個別支援等)で「よかった点」と「課題と感じた点」

    ・小・中学校の接続を踏まえた授業になっており、学習課題の提示や、予想やその理由を発表することにより、生徒が明確なねらいを持って意欲的に実験に取り組めていた。

    ・時間的な配分や、実験器具の量や説明に工夫が必要であった。

    <視点2> 実験の結果から、考察、まとめにいたる場面で、「よかった点」と「課題と感じた点」

    ・各班の実験結果やまとめが可視化されており、まとめを共有化することができ効果的であった。

(3) 指導講評

    ・磁石について学ぶ必然性をもたせるために、生徒自ら問題を発見する場を設け、学習や実験に対する意欲や関心を高めていた。

・目に見えない磁界を扱うため、生徒たちが科学的な知識を獲得するためには、「視覚的」に「立体的」に捉えながら考えていく指導が必要となるが、磁石がつくる磁界を、モールや方位磁針といった具体物を使用した実験を行うことで磁界のイメージをもたせた。

・自分の考えを全体の場や小グループ内で伝え合う際に、自分の考えや描画法によって絵や言葉で自由に表現することができるワークシートや、自分の考えを図などで表現し、交流できるようにホワイトボードを活用することで表現しやすい環境を整えた。また、交流の場や討論を通して言語活動を充実させた。

・今後の課題として、机間指導中は、生徒のあいまいな考えに対して補足・アドバイスを行い、論理的な説明ができるよう支援を行う。さらに、生徒の思考力を把握し、授業を構成し、本時のねらいに迫る授業展開を行うことで、科学的な概念への定着を図って欲しい。

 

(文責 奥隅一之)