2 平成26年度
2.29 2014.8.19 10:00~15:00「農業生物資源研究所(最先端研究施設)訪問」
実地研修「農業生物資源研究所(最先端研究施設)訪問」実施報告
日時:平成26年8月19日(火)10:00~15:00
場所:独立行政法人 農業生物資源研究所(つくば市)
受講者:19名(教員7名,学生10名)他引率2名
領域:Ⅰ 最先端の自然科学
概要:農業分野のバイオテクノロジー研究の中核機関である生物研を訪問し,遺伝子組換え,遺伝資源の隔離ほ場を含めた見学,講義を受け,遺伝子組換え作物などのリスクコミュニケーション,遺伝資源・ジーンバンク,遺伝子組換え作物研究,カイコを利用した研究などについて理解を深めた。
内容:はじめに,ギャラリーにて,生物研の歴史とこれまでの研究成果の概要について,広報室職員の小林様から解説していただきました。次に,研究者の西川様に遺伝資源に関する講義をしていただいた後で,ジーンバンクを案内していただき施設を見学しました。そして,昼食後,遺伝子組換え推進室の笹川様に試験ほ場を案内,解説していただき,続いて,遺伝子組換え作物,食品,カイコ等の研究や安全性やその理解増進(科学コミュニケーション)の取り組みに関する講義をしていただきました。
参加者の感想をいくつか紹介します。「20世紀に失われた遺伝形質は75%と聞いたときは衝撃を受けた。」「人類によって遺伝資源が失われていくことをできる限り食い止めるため,あるいは自然には存在することが難しくなってしまった遺伝資源を残していくため,ジーンバンクはとても意義のある取り組みだと思う。」「「遺伝子組換え」はあまり私の日常生活と関わりがないと思っていました。しかし,牛や豚などの飼料としてトウモロコシの遺伝子組み換えが使われているなど,日常に深く関わっていることを初めて知りました。」「私が思っていた以上に,安全・安心に対する配慮がなされていたし,なにより私たちがこれから生きていく上でメリットの多い研究であることがわかった。」「私はこれまで,ぼんやりとした印象で「遺伝子組替え」の科学技術を否定的に捉えていた。しかし,これらの技術はこれからの未来に必ず役に立つ技術であり,教師として子どもたちに正しい知識を伝えていかなければならないものでもあると実感した。」
受講生の感想には,理科を教える教員が最先端科学を知ることは,子どもたちを教える上でさまざまな意義や有用性があるとの意見が数多く見られました。 (文責:小倉 康)